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Cloudflareの障害で見えてきたCDNの問題とは
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Cloudflareの障害で見えてきたCDNの問題とは

昨今、インターネットサービスの多くがCDNを利用し、サービスを提供しています。

CDNの普及と共に話題にあがるようになったのが、CDNの障害です。Akamaiと並ぶCDNプロバイダのCloudflareの障害が2022年に話題になりました。
Twitter上では「インターネットが壊れた」やCloudflareを利用しているとみられる各サービスに「繋がらない…」の声があがりました。

本記事では、Cloudflareの障害から見えてきたCDNの問題や障害対策について解説します。

マンガでわかるクラウド活用CDN活用編

世界的に影響を与えたCloudflareの障害情報

世界的に影響を与えたCloudflareの障害情報

Cloudflare(クラウドフレア)は、2020年に2度の障害が発生しています。また、2022年6月にも障害が発生し、同障害は各業界で人気のサービスに影響を与えました。
イラストコミュニケーションサービス「pixiv」、コミュニケーションサービスの「Discord」、無料デザインツール「Canva」、翻訳ツール「DeepL」などがダウンし、Cloudflareの影響を受けたものとみられています。

☑︎|Cloudflareの障害原因
☑︎|CDN障害で見えた問題点

Cloudflareの障害原因

Cloudflareの障害はそれぞれ異なる事象で発生し、以下の原因により発生しました。

2020年4月には、誤ったケーブルをパッチ盤から引き抜いたことで、ダッシュボードやAPIが利用できなくなりました。

2020年7月には、ルーターの設定変更ミスで、すべてのトラフィックが1か所に転送されたことにより、27分間サービス停止が発生しました。

2022年6月の障害は、BGP(Border Gateway Protocol)の設定ミスが原因で、東京を含む主要な19か所のデータセンターで障害が起きました。

CDN障害で見えた問題点

CDNを利用してサービスを提供している場合、障害が発生した際にアクセス不可や制限、Webコンテンツが表示エラーになるなどの影響を受ける可能性があります。

2022年6月のCloudflareの障害では、影響を受けたと見られるpixivは、同日15:30頃からアクセスしづらくなり、復旧報がでる17:30までの2時間でアクセスに影響がありました。サービスの提供を止めることなく提供するために、ハードウェアやネットワーク構成などの冗長化を行っていますが、一度障害が起きるとCDNは規模の大きさから原因の特定に時間を要し、復旧に時間がかかる場合があります。

そのため、CDNを利用する企業は、CDNに障害が発生した場合やダウンした場合を想定し対策を行なう必要があります。対策の一つとしてマルチCDNでのリスク分散があります。

出所:【復旧】pixivコミックのアクセス障害について

マルチCDNサービスで障害対策

マルチCDNサービスで障害対策

マルチCDNとは、複数のCDNサービスを利用することです。これにより、可用性冗長性の向上トラフィックの分散をより最適化することが可能です。以下で利用のマルチCDNの利用の特徴をご紹介します。

☑︎|マルチCDNサービスのメリット
☑︎|マルチCDNサービスのデメリット

マルチCDNサービスのメリット

マルチCDNで構成するメリットは以下の4つがあります。

障害時の影響を最小化できる
利用するCDNの1つに障害が起きた場合、もう1つのCDNに切り替えて利用できます。これにより、配信するサービスの停止を防止できます。

最適なCDNの選択が可能
CDNのエッジロケーション(分散した配信拠点)は、コンテンツを利用するユーザーの地域からより近い場所から提供する方が高品質な配信ができます。
エッジロケーションは、各CDNサービスによって異なるため、マルチCDNにして、サービスを提供する地域に最適なエッジロケーションが提供されるように構成や設定、場合によっては作り込みをし、配信の最適化を図ることができます。

大規模なトラフィックへの対応
前項でご紹介した通り、障害によっては全くサービス利用ができなくなる場合があります。

マルチCDNでは、障害の発生していないCDNの利用でサービス停止を回避できます。マルチCDNの利用で費用が気になる企業は常時稼働でなく、障害時のバックアップとしてスタンバイさせ、障害時のみもう1つのCDNを利用することもオススメです。

サイバー攻撃のセキュリティ対策に
CDNサービスにより、セキュリティレベルや対策が異なります。
近年データセンターの停止の原因にサイバー攻撃があがりますが、1つのCDNがDoS/DDos攻撃により影響を受けている際にはもう1つのCDNに切り替えることで被害を最小限に抑えることができます。

マルチCDNサービスのデメリット

マルチCDNの構成には、多くのメリットがありますが、デメリットを2つご紹介します。

複数CDNで同一の挙動設定が必要
マルチ CDN の利用方法にもよりますが、CDN の切り替えをするためには、基本的にはすべてのCDNで同一の挙動をするように設定しておく必要があります。
配信設定の作成、変更、削除などの作業を複数の CDN に対して行う必要があるため、設定にかかわる運用工数の増大があります。

コストが増加
CDNはコストを最適化するメリットがありますが、マルチCDNの場合は、各CDNの配信容量が分散され少なくなるため、配信単価が高くなりがちです。

≫≫【比較】CDNベンダーのサービス一覧|日本国内のCDN市場のシェア動向もご紹介

まとめ

まとめ

本記事では、CDNの障害による影響と問題点を解説しました。CDNを利用しコンテンツを配信する企業が増加し、一度CDNの障害が発生すると、その影響はCDNを利用する企業のみならず、そのサービスを利用するエンドユーザーにも大きく影響を及ぼします。

このようなリスクを回避するためにもマルチCDNでCDN自体を冗長化することが必要です。マルチCDNの導入には、さまざまなクラウドベンダーのサービスを取り扱っているエージェンシーに依頼するとスムーズな導入に繋がりますので利用をオススメします。

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