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Webサイトの表示速度を改善するCDN・キャッシュとは?
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Webサイトの表示速度を改善するCDN・キャッシュとは?

近年、音声や動画、アニメーションなど動的な要素であるリッチコンテンツを使ったWebサイトやサービスが増えています。リッチコンテンツは、利用者のわかりやすさ満足度を高める一方で、Webサイトの表示速度を遅延させ、満足度が向上しないケースもあります。

速度遅延の解決策として、CDN(コンテンツデリバリーネットワーク)が注目されています。本記事では、Webサイトの表示速度が与える売上への影響やその改善方法をご紹介します。

マンガでわかるクラウド活用CDN活用編

Webサイトの表示速度の低下がもたらす問題とは

Webサイトの表示速度の低下がもたらす問題とは

Webサイトの表示速度が遅いと、収益の減少などビジネスにおいて様々なデメリットがあります。サイトへの流入の面ではGoogleのサイトの評価が下がり、Webサイトのトラフィックの減少や、SEOのランキングが低下します。

サイトに訪問後には、ページの表示や反応速度が遅いことでお客様がストレスを感じ、離脱しやすくなるため、CX(顧客体験価値)の低下や、契約率が下がります。その結果、売上や収益が減少します。

表示速度が低下する原因には以下3点があり、表示速度の改善には原因の見直しが必要です。

1. 最適化されていないコンテンツ
最適化されていない大量の画像、多すぎる動画コンテンツの利用。

2. フロントエンド(HTML/CSS/JavaScript)の問題
過剰な余白や不要なコメントなど、汚いコーディングや誤ったJavaScriptの実装

3. ホスティングサーバーの問題
Webホスティングサービスは、プロバイダーのサーバーの性能と利用するサーバープログラムのバージョン

☑︎|表示速度が2秒違うだけで直帰率やCVRに大きく影響する
☑︎|表示速度0.001秒変わるだけで、売上に影響を与える

表示速度が2秒違うだけで直帰率やCVRに大きく影響する

表示速度の与える売上への影響は、表示速度が1秒のWebサイトと3秒のWebサイトを比較すると、コンバージョン率(CVR)が38%低下します。その他にもページビュー(PV)が22%低下し、直帰率が50%上がるとデータが示しています(※)。

出展 サイト表示が2秒遅いだけで直帰率は50%増加! DeNA事例から学ぶWebの自動最適化手法/日本ラドウェア

表示速度0.001秒変わるだけで、売上に影響を与える

2006年、Amazonはページのロード時間が0.001秒増加するごとに、売上が1%減少することがわかりました。
本データを集計した2006年におけるAmazonの年間売上が1%減少した場合は約1億700万ドルでしたが、現在の約38億ドルになります。また、0.5秒の表示の遅延がトラフィックを20%減少させ、ユーザーの満足度を低下させたというデータが出ています。

2022年度1月度のECの売上高が、732億ドルでAmazonに次ぐ2位だったウォルマートは、ダウンロード速度が100ms(0.001秒)向上するごとに、収益が1%増加し、Amazonと同様のデータが出ています。

年間収益が高い企業では、コンバージョンを1%上げるだけで収益が大幅に増加します。つまり、コンバージョン率と収益性を高めるためには、表示時間を短縮することが重要です。

出展 Amazon Found Every 100ms of Latency Cost them 1% in Sales

表示速度を改善するためにCDNを利用する

表示速度を改善するためにCDNを利用する

ここまでWebサイトの表示速度が売上に与える影響を説明しました。表示速度の改善には「Webサイトの表示速度の低下がもたらす問題とは」で触れた項目の改善が必要です。中でも「3.ホスティングサーバーの問題」の解決に有効なのが、CDNです。

CDNは、Content Delivery Networkの略です。利用者に最も近いキャッシュサーバーから、画像や動画などのWebコンテンツを配信する仕組みです。

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これまでは、Webサイトでアクセスが集中した際にネットワークに負荷がかかったり、コンテンツをのせているWebサーバーがダウンしたりしていました。CDNは、大量配信や高速配信に強い構成で、サーバーダウンの回避や負荷分散ができます。

☑︎|CDNが表示速度を改善する仕組みとは
☑︎|動的なコンテンツの配信でサーバーの負担を軽減させる

CDNが表示速度を改善する仕組みとは

CDNがページの表示を高速化する仕組みは、最初にアクセスした利用者のリクエストのみオリジンサーバーと呼ばれるWebをホスティングしているサーバーに到達します。2人目以降の利用者は、最初の利用者のレスポンスの中のコンテンツをCDNがキャッシュ(複製・保存)するため、より早いページの表示を行えます。

≫≫ CDNとは?基礎知識や仕組みからメリットまで徹底解説

動的なコンテンツの配信でサーバーの負担を軽減させる

コンテンツには、「静的コンテンツ」と呼ばれる誰が見ても同じ内容と、「動的コンテンツ」と呼ばれる利用者や閲覧のタイミングで内容が変わるコンテンツがあります。

静的コンテンツは表示速度が早いですが、動的コンテンツはサーバーの処理が変動するため、ページの表示速度が遅延しがちです。昨今のWebサイトは動的コンテンツの利用が多いため、CDNの高速化が図れる可能性が高いです。

CDNを用いたサーバー負荷を軽減させた事例に、日経電子版の事例があります。
日経電子版は、紙と電子の合計では全世界で300万部を発行する世界最大の経済メディアで、月間3億アクセス以上あります。日経電子版の調査では、サイトの速度が1秒落ちると、ユーザーエンゲージメントが5%下がることがわかり、Webサイトの速度は重要なKPIになっていました。

そこで、CDNでサーバーからの応答速度を高速化と、フロントエンドの最適化を実施し、旧モバイル版の約2倍の速度を実現しました。

出展 Speaker Deckに日本経済新聞社 宍戸俊哉氏が掲載した資料より

まとめ

まとめ

Webサイトの表示速度の低下は、利用者の離脱に繋がります。ECサイトにおいては、表示速度が0.001秒改善すると、収益が1%増加するなど売上や収益に大きく影響します。このようにページの表示速度は売上に直結し、この改善に貢献するのがCDNです。

CDNは表示速度の改善のみならず、オリジンサーバーのコスト削減やコンテンツの可用性、冗長性、セキュリティを高めてくれるなど、複数のメリットがあります。
Webにおける利用者のCXに課題のある企業や売上を改善したい企業は、CDNについて理解を深め、サービスの導入を検討することをオススメします。

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